Not DPI Aware は内部的には古いWindowsの標準DPIである96DPIで内部的に描画され、スケーリング(拡大)されて実際のモニターに表示されます。このため高解像度のモニターでは文字や画像がモヤっとして表示されます。高DPIに何も対応しないアプリケーションはこれになります。
System DPI Aware は起動時にDPI値が決定(多分メインモニターのDPI値)され文字はきれいに表示されます。画像ももやっとしません(個別に画像を用意する必要があります)。DPIの異なるモニターに切り替わるときはシステムが自動的にスケーリング表示に切り替える仕組みとなります。ただし、Windows 10(の最近のバージョン)ではスケーリング表示時でも文字だけはきれいに描画されます。アプリケーションでは、起動時にレイアウトの調整をしたり、解像度にあわせた複数の画像を用意する必要があります。
Per monitor DPI Awareは Windows 8.1から導入され、一番新しい対応レベルです。モニターを移動するごとにDPIの変更がアプリケーションに伝達され、アプリケーション内でDPI切り替えの処理が実行されます。アプリケーションでは、起動時とDPI切り替えである、WM_DPICHANGEDイベントでレイアウト調整や画像の切り替え処理をする必要があります。
A5:SQL Mk-2 Version 2.14系ではPer monitor DPI Awareに対応していました。開発環境である Delphi 10.2 も Per monitor DPI Aware に対応することになっています。ただ、実際DPI値の異なるモニター間の切り替え動作は正しく動作していなかったようです。A5:SQL Mk-2が今どき珍しいMDIアプリケーションであることも影響しているかもしれません。